· 

自作キーボードの話(Cannonball・Handyman)


キーボード・左手デバイスなどの入力デバイスガジェットはメチャクチャ好きだが電子工作知識は0。

そんな自分がネットで見つけたのは自作キーボード【キット】なるもの。

用意されたパーツ(と自分好みのスイッチパーツを選択)を手順通りハンダ付けし、用意されたプログラムで手軽に入力デバイスが作れるというもの。

このような【キット】が数多くのクリエイター達が個人で販売している。いつかは設計からやってみたいと思いつつまずはキットから制作チャレンジしてみることにした。

 

 

数多くのキットから選んだのは はやしたろう氏の販売している

Cannonball(画像左の小型デバイス)

Handyman(画像右のデバイスで右手左手どちらかを選択して組み立てられる)※両方ダイヤルは別のものに変更済み

本記事ではCannonballの組み立て経緯を記載。Handymanもパーツが多いだけで同等の難易度で制作可能。所要時間はゆったりやって1日で出来る程度だった。

 

選んだ理由は小型ながらダイヤル・ホイール・レバースイッチと珍しい構成で設計されていたのとシンプルで非常にカッコいい見た目・パーツ数も少なく入門編としては最適と思い選択。

詳しい組み立て方は製作者さんが公開しています(こちら)ので本記事では細かい部分は省略して組み立て記録としておく。

 

結論から言うとプラモデルのように楽しみながら完成させることができた。PCやiPadとの接続で使用でき(要USB-C変換器)かつCannonball側にキー割振り出来るためiPadに専用のソフトウェアなども必要なく使用することが出来た。片手で持てる大きさなので絵描きソフトや編集ソフトとの相性は抜群だ。もちろん置いても使える。 

(余談だがUSB2BT+というBluetooth化するデバイスを繋ぐとiPadと無線で接続出来た。神である。) (BLE Micro Proとバッテリーを仕込めばBluetooth化出来るのではないだろうか※試していないので自己責任で)


キット(と別売りのスイッチ類)はこの様にバラバラの部品となっている。


黒い基盤にチップ型のLEDをハンダ付けする。(LEDがいらない場合は不要)ハンダ付けは中学の技術の授業以来だ。

そもそもハンダ自体何を使えばいいのか…というレベルだったが

 

goot(グット) 精密プリント基板用 鉛入りはんだ Φ0.8mm スズ60%/鉛40% ヤニ入り SD-62 

をAmazonで購入。良いのか悪いのかはわからないが結果から言うと問題無く使えた。ハンダゴテは20年前くらいに買ったであろうgootのものが倉庫から出てきたのでそれを使用。コテ先は細いものに交換した。

 

見ての通り小さいパーツ1個に対し各4箇所ハンダ付けする。LEDは熱に弱いらしく素早いハンダ付けが必要とのこと。

初めてなので壊れて当然という心持ちで挑戦したが案外問題無くハンダ付けできた。


ダイオードやスイッチ類もどんどんハンダ付けしていく。

基盤にパーツが付いていくにつれて達成感で満たされる。

 

余談だが今回選んだスイッチはKailh社のロープロ茶軸スイッチだ。

タクタイルで押した感覚はあるが音は割と静かなタイプ。

Handymanの方はカチカチとクリック感のある白軸を選んだ。この押し心地も自分で選べるのも自作キーボードの醍醐味だ。


Pro micro(USBを接続する部分)をハンダ付け。

写真の側は問題無くハンダ付けできたが反対側のスイッチが付いている方のハンダ付けは狭く難易度が高かった。


ちゃんと動くかをテスト。

LEDがレインボーにギラギラと点灯、いわゆるゲーミングイルミネーションだ。

アンダーグローLEDも取り付けているため裏も光る。

全て問題無く点灯していて一安心。

もちろん後の設定でオンオフやイルミネーションの仕方・輝度や彩度や色相を細かく変更できる。

 

 


ロータリーエンコーダをハンダ付けしてハンダ付けは終了。

縦横のホイールとダイヤル・レバーがとても使いやすい。全て押し込みによるボタンキー割り当ても出来る。レバーは2個付いているがリンクしており同じキーを共有している。

このホイール幅が広くとても良いのだが材質を金属にしたい…金属パーツは無いものか…。

 

あとはアクリルカバーとダイヤル・スイッチカバーを装着し手順通りにファームウェアを書き込めば完成だ。このファームウェアも複雑な知識はいらず数クリックで終わってしまう親切設計だ。

 

キーの割当設定もREMAPというブラウザサイトから直接簡単に変更出来るという手軽さ。(マクロや音量変更などのシステム割当も用意されている)


カバー自作

とても良いキットだった為カスタム欲が出てきた。キットのままでもカッコいいがものづくり魂が刺激されてしまった。

電子工作知識は皆無だったがここからは得意分野だ。

アクリルカバー部分を真鍮板で自作。

ここに彫金を施して見ようと思う。


Affinityで洋彫りデザインを描き起こす。チタン針で下書き。タガネで彫っていく。


アウトラインを彫刻。直彫りなのでキラッキラに光ってます。

影彫りせずこのままでもありだ。


影彫りして完成。影彫りをすると一気に引き締まる。めっちゃ大変だけど。

今回はグラウンドは彫らず墨入れもせずキラキラ仕様。


キーキャップも自作してみる。

銘木シャムガキを使う。黒くて木目が特徴的な気品のある木。

糸鋸でカットしてヤスリで整形レモンオイルで磨いて完成。


キーキャップの裏側(スイッチとの接続部)は おゆまるで型取りしてレジンで制作してみた。

が、あまりしっくり出来なかったのでスイッチ本体にシリコンスプレーを吹き付けた後直接レジンを流し固まったところで引き抜く荒行を行った。

それを先程自作した木のキーキャップ裏にレジンで接着した。


プレートとキーキャップを装着して完成。

スチームパンク感溢れる気品ある風合いになった。

1Uのキーも真鍮や木材でカスタムしたいですね。Handymanもカスタムしたい。なんなら新しいキーボードも作りたい…